第3回目を迎えたクリエイターズインタビュー。

今回も引き続き「DeepOne」の世界観を彩る「音楽」について
劇伴担当の「Offshore」と岸田教団&THE明星ロケッツのドラマー「みっちゃん」に
実際の収録現場での雰囲気や、楽曲制作にかける想いを聞いてみた。

(インタビュアー:P.i.P)




@プロフィール

みっちゃん(岸田教団&THE明星ロケッツ)

岸田教団&THE明星ロケッツのドラマーとして活躍する一方、LiSA、少女病、ポルノグラフィティ、
GARNiDELiA、小林太郎など様々なアーティストのドラムを担当する実力派ドラマー。
2018年8月22日に「岸田教団&THE明星ロケッツ」ニューシングル「シリウス」が発売予定。

【Twitter】 https://twitter.com/MI_CYAN_GOGO
【HP】 http://whv-amusic.com/kisidakyoudan/




 【P.i.P】    ・まずドラマーの起用にあたり、みっちゃん氏に依頼をお願いしたのはどのような経緯からなのでしょうか?
         とある歌物の収録現場で、たまたま僕が録音エンジニアとしてお仕事させてもらったのが最初の出会いで、
         その収録でみっちゃんが出す出音にまず圧巻されました。
         言葉は悪いですが「なんて頭の悪い音を出す男なんだ」と(笑)
         そんなみっちゃんに「いつか何かで一緒に仕事ができるといいねぇ~」なんていう話を収録現場でした
         二ヶ月後に、まさか本当に仕事を頼むきっかけがくるとは、この時の僕は思っていませんでした(笑)

         突然、電話でOffshoreから仕事の依頼がきたんですけど
         その時は「えっ?」という言葉しかできませんでした。
         社交辞令で言ってるんだろうなぁぐらいにしか思っていなかったので
         まさかこんなに早いタイミングで仕事がくるとは思ってもいませんでしたよ(笑)


 【P.i.P】    ・さっそく縁が活きたわけですね!
          今回はじめて劇伴曲のドラムを担当したとのことですが、印象に残ったことはありますか?

         正直、オファーに戸惑いました(笑)
         今までは歌物の仕事しかやったことがなかったので、ゲームのBGMの話を聞いた時は
         「えっ!?なぜ僕?」って印象でしたね。


         本当に電話で第一声に「え?僕でいいんですか?」って聞いてきたよね(笑)
         ですね(笑)
         僕はよく音がでかいと言われるので、ゲームのBGMと聞いた時は
         「うまく表現できるのかなぁ?」と不安になったのでデモ音源もらってから
         めちゃくちゃスタジオで合わせてみましたよ(笑)


 【P.i.P】    ・そんな試行錯誤があったんですね。
          Offshore氏は「みっちゃん」を起用することにあたり、期待したことはなんでしょうか?
         みっちゃんがそんなに不安になっていた事は今、初めて知りましたが……(笑)
         僕はみっちゃんが出す音とニュアンス、ロックならではのモタりを期待してお願いしたので
         この人なら自分の理想の音になるという確信の元でお願いしました。
         あと期待したことといえば、実費修理になるけどシンバル割ってくれないかなぁってことぐらいですね(笑)


 【P.i.P】    ・ええ!?シンバル割って欲しかったんですか!?

         驚きましたねー、Offshoreから
         「シンバルがひっくり返る様なサウンドと、人を殴り倒すようなスネアとキックをお願いします!」と
         言われた時は「この人は正気で言ってんのか?」と思いましたよ(笑)

         正気も何もそこで、嘘言ってもなぁ……(笑)
         みっちゃんは日本人では本当に珍しいレベルの出音と音量を出すドラマーなので
         そこは期待しちゃっても仕方がないと思います(笑)


         自分では音が大きいとは思ってませんけどね(笑)

         音に直接精通してるわけではないとは思うけど、収録現場で毎回汗だくでドラムを
         この姿で叩くからこそだとは思うけどね(笑)


 【P.i.P】    ・すごい気合いの入れようですね(笑)

          収録楽曲のやり取りは、事前に綿密な打ち合わせなどはされたのですか?

         メールもですが、もちろんOffshoreに電話しまくりました(笑)
         曲の構成含めメローディーラインの構成などが、なにもかも初めてだったので
         「こんな感じ?」みたいな電話したこともありましたね。
         実際は、すべてみっちゃんに任せるよ!というニュアンスで伝えただけなんですが
         実際に僕が指示したからといって、みっちゃんのようなタイプのドラマーはセンスに比重を置くので
         具体的に指示を出したとしても、それが音楽的に悪い方向性に繋がると思ったので
         特に細かい指示は出しませんでした。

         本人はとても不安がっていたようですが、僕は勝手に大船にのった気持ちで
         みっちゃんにお願いしてましたね。


 【P.i.P】    ・実際の収録現場では、どのようなやり取りが行われたのでしょうか?
         マイクチェックの後にすぐ録音スタートとなったのですが
         まず第一にみっちゃんにお願いするきっかけとなった「BGM02_02(挑戦)」からスタートしました。
         この曲はもう想定通りで、収録時間も全然かからずにスムーズに録音が終わった印象が強かったです。
         そもそも「BGM02_02」の00:21のドラムの入りで「勝った」と思ったので、即OKを出しました(笑)

         問題になった……訳ではないですが、音作りから叩き方まで一番注意したのは「BGM26」でした。
         この曲に関しては、みっちゃんに相当な注文とリテイクを出した記憶があります。

         そうですね、フィルインに関しては曲の雰囲気に沿っての事なのですが
         自分の中で一番難しかったのは、このリズムの世界観の取り方ですね。
         きっちり叩くのも一番なのですが、この雰囲気のタメ等は特に注意しながら練習は意識してましたね。

         「BGM26(泥濘に芽吹く華)」ってDeepOne総指揮の堀ノ内さんから
         「大ボス感が欲しい」って言われてたんだけど、その大ボス感ってわかる?
         僕はドラムが入るまで正直「大ボス感」というのが、何なのかいまいちつかめずにいたんだよね。
         大ボス感?それは知らなかったな(笑)
         僕はこのアレンジを聞いてタイトなベースとフワッと入ってくるストリングスで
         どこの位置にスネアを入れるかなど様々なリテイクが重なって
         歌物で考えれば少ない時間になる2分ですが、かなり精神的に参りましたね(笑)
         けど「BGM26」に関してもだけど
         ドラム差し変わって化けたっていう実感は収録現場ではすぐにわかったんだよね。

         入れて正解だったいうのかな。
         打ち込みだったらあの感情的なドラムもベースもストリングスも不一致のままだったと思う。
         自分でいうのもアレなんだけども、聞き直してみて、いい曲だって思わない?(笑)

         特にもう鳥肌というか、一番印象的だったのは
         試聴音源の1:06までの2拍目のシンバルに差し掛かるまでのドラムの流れの時。
         録音中だったのでみっちゃんは聞こえていなかったと思うけど、収録中に「やったー!!!」と
         一人で騒いだくらい(笑)

         そんなことあったんだ(笑)。
         でもこうして聞き直すと、大ボス感でてますねぇ~(笑)
         こういうファンタジー感あふれる楽曲に、僕のドラムが鳴ってるのも不思議です。
         みっちゃんってオーケストラとか、ファンタジー感がある楽曲を叩いてるイメージはないんだけど
         逆に僕はなんで誰も起用しないんだろう? と違和感しかなかったんだよね。

         みっちゃんは確かに「ロックバンドのドラマー」というイメージが強いんだけど
         ファンタジー要素が強い楽曲こそ、力強くて主張性があるみっちゃんのドラムは必ずハマるって確信してました。
         「DeepOne」という世界観に、みっちゃんのドラムがあってたんじゃない?って言われたら
         そうかもしれないけども、じゃあ他に誰に叩いてもらうの?ってなったら
         言葉が詰まってしまいますね。

         あんなにドラムを小さく叩いて収録したことがなかったので、不安になりながら収録してましたが
         仕上がり聞くと、こんなにメリハリある感じになるんだなあって、すごく良い経験になりましたよ。
         次また仕事の機会が会った時に、どんな変化を見せてくれるのかとても楽しみです。
         あと、強いていえば個人的に不安だったのは「BGM31」かなぁ……。

         自分の中では、あれはドラムはメタルロックのイメージでしかなかったし
         ループ音源も混ざりまくってて同期できるのかも不安でしかなかったし
         楽曲としても破綻寸前の楽曲だったから、あのドラムを思いついたみっちゃんは、すごいとしか言えなかった。
         ドラムの修正も何もしてないしね。


         「BGM31」に関してはDEMO音源もらったときはツーバスドコドコでしたよね?


         そうそう。ドラムの想像力が貧困だからツーバスでしか思いつかなかったんだよね(笑)
         僕はツーバス得意ではないのでDEMO音源もらった時点で
         さっくりシングルペダルにこっそり差し替えました(笑)

         そのまま「岸田節」で「BGM31」は突っ走りました。
         結果、OKをもらった時は嬉しかったですね。


 【P.i.P】    ・臨場感のあるお話ありがとうございます!

          「岸田教団&THE明星ロケッツ」を主軸で活動をされているみっちゃん氏ですが
          今回の劇伴の録音で今まで経験されていた収録と比べてちがいはありましたか?
         今回のレコーディングを終えて、歌物と劇伴の世界観や構成
         聞く人に与える印象の違いなどを思い知らされましたね。

         僕は、基本レコーディングの時は歌を覚えてからレコーディングに望むんです。
         歌ものはAメロBメロサビと、なんとなくざっくりとした感覚で覚えれるのですが
         今回、はじめて劇伴を演奏させて頂いて、音楽って無限なんだなぁーと思い知らされましたよね。

         劇伴の場合は歌ものとちがって、世界観をつかむ事が大事なんだなぁと思いました。
         また機会あれば、いろいろチャレンジしていろんな世界観を見てみたいですね。


         岸田さん劇伴つくらんかな……(笑)


         岸田ちゃんはエロゲ好きですからねぇーやってくれるかもですよ(笑)

         エロゲ好きなんだ(笑)
         その他の作家さんからも「DeepOne」を機会に劇伴の依頼が増えるといいね。


 【P.i.P】    ・貴重なお話しありがとうございました!

          それでは最後に2018年8月22日に発売する「岸田教団&THE明星ロケッツ」の
          ニューシングル「シリウス」について、意気込みをお聞かせください。
         今回のシングルはTVアニメ「天狼- Sirius the Jaeger -」のOPとなってます。
         僕の事を知らない人も多いかもしれませんが、これを期に聞いてみてもらえると嬉しいです!
         MVも今までとは違う「岸田教団&THE明星ロケッツ」のMVとして仕上がりました。

         岸田教団&THE明星ロケッツの10年かけて作り上げた年期が入ったバンドサウンドを
         皆さんぜひ聞いて楽しんで頂けたらと思います!


               【岸田教団&THE明星ロケッツ ワーナーブラザース公式HP】
                http://whv-amusic.com/kisidakyoudan/

               【TVアニメ「天狼 Sirius the Jaeger」公式HP】
                 http://sirius-the-jaeger.com/

               【シリウスMV short ver.】
                https://youtu.be/1o0pAwoIgdw



         ちなみに収録は、いつも通り地獄だったの?(笑)


         ですね(笑)


 【一同】    爆笑